東京で子供が不登校になった場合どうなるのか - 江東区編 - <前編>
子供が不登校になったら
- 子供が不登校になったら
- 1.子供の体調不良を普通に心配する
- 2.病院に行くと、起立性調節障害と言われる
- 3.「無理して学校へ行かせない」ゾーンへ
- 4.学校のスクールカウンセラーとの面談
- 5.行き渋るこどもの心の中は
- 6.児童精神科医との面談
- 7.学校を休みがちになるゾーン
- 8.江東区のブリッジスクールに行ってみた
1.子供の体調不良を普通に心配する
5年の終わりくらいから時々、朝起きてご飯を食べるとおなかの痛みを訴えることが多くなりました。トイレにこもっていたり、おなかをさすってあげたりしながら普通に心配していましたが、徐々に「本当におなかが痛い・・」と布団に横たわるようになりました。
そこで普通の親ってどうするんでしょうか。自分は、「おなかが痛くなくなるまで少し寝ていなさい。」と言ってしまいました。
今思うとこのような対応が、保護者の甘さであり、そこを子供が見極めているのかなと感じます。在宅勤務のため、少し遅刻しようが子供の世話をしてあげられる環境もそれを可能にしてしまいました。
そして、子供は学習していきます。
「おなかが痛くなれば学校に行かなくてもよいのかもしれない。」と…
自分の学生時代には不登校という言葉はあまり聞きませんでした。小中時代には周りで不登校になった人もいなかったですし。
当時は不登校になるという道は、「大きく道を外れてしまった」人以外はあまり選ばない選択肢だったのです。
これまで普通に子供は幼稚園に行き、小学校に行っていました。行きたくないと言ったことはありません。兄は中学校に元気に楽しく通っています。だから弟も普通に小学校へ行っていると信じ切っていました。
ただここ数年、特にコロナの後、2020年以降状況が変わります。緊急事態宣言で、小学校がオンライン授業を行った影響が大きいです。
「あ、学校に行かなくてもオンラインで勉強できるんじゃん。」
「一日中家にいるのって楽だなあ」
「もう学校行きたくない」
結構な割合でそう思うお子さんがいたんじゃないでしょうか。
コロナ後から続々と、兄の友達が不登校になっていきました。25人クラスに2~3人の割合です。もう1年も学校に来ていない子がいると聞くと、その子のお母さんも大変だろうな、とか、昼間何して過ごしてるんだろうとか、ぼんやり考えるくらいでした。所詮、他人事です。
それが一気に自分事に変化しました。でも何の知識も心構えもありません。
それまで普通に学校に行っていた。特に学校や友達関係で大きなトラブルはない。腹痛を訴えていれば、学校を休ませるだけです。
だから自分もそういった対応を取ったわけです。
2.病院に行くと、起立性調節障害と言われる
わが家は学校まで2キロ弱あるため、歩いて20分程度かかります。お兄ちゃんが一緒に小学校に行っているときは、一緒に登校してくれたのですが、一人になってからは、行くのが嫌になったようでした。
もう体重も30キロを超えているのに、自転車の後部座席に乗せて学校の裏までほぼ毎日送ってあげていました。5年生の1年間はこんな生活を続けていました。それでも行かないよりはましなので甘やかしていました。
この状況の上に、腹痛を訴える頻度がほぼ毎日になってくると、週に何回も遅刻をして学校に自転車に乗せて送る日々となっていきます。
さすがにおかしいと、小児科へ行くことにしてみました。
近くの小児科です。先生は子供の目やおなかや歩き方など一連の不審なところをさがしていましたが特には見当たらずのようでした。
結局、その日は、朝学校にいけないのは、「起立性調節障害」だろうという診断になりました。
最近多いんだよね。小学高学年から中学生にかけてがボリュームゾーンだそうで、
早く寝かす。早く起こす。起きてすぐに動けないから学校に行く2時間前くらいに起こして徐々に体を慣らすとよい。が解決法でした。病気なのだから無理して学校に決まった時間に行かせなくてよい、ということになりました。
3.「無理して学校へ行かせない」ゾーンへ
病院の先生からの「起立性調節障害」については、担任の先生に電話で報告し、遅刻の多さの説明としました。急に子供に都合の良い病名がついてきたので、子供は喜んでましたね。いい気なもんです。
早速次の日から朝の6時に起床させました。登校の2時間前です。起きてだらだらしながらご飯を食べて準備をして、、そして登校時間となりました。
「おなかがいたい…」
早く起きたところで、学校の行くとなるとおなかが痛くなるのでした。
4.学校のスクールカウンセラーとの面談
とりあえず6年の前半までは毎日自転車に乗せて遅刻しながらも休みはせず、学校に送る生活を続けていました。しかし、徐々に親である私も疲れてきました。
朝が来ると子供が学校に行きたくないと言い出すだろうなぁ、って思うんです。毎朝、行きたくない子供を起こして、励ましたり、怒ったり、諭したりしながら。交渉して学校に自転車で連れていく。連れて行ったころには昼過ぎ。3時くらいにはすぐ帰ってくる。毎日これを平日やっていると、さすがに在宅とはいえ仕事しているので疲れてきました。多分、在宅でなければ対応できないと思いますが。
そんなとき、学校からちらしが配られました。
「困ったら学校のカウンセラーに相談しよう」
そうです。自分の家だけで解決しようとせず、問題を公にして地域で解決していけばよりよい手段が見つかるはずです。
早速カウンセラーの予約をすると、
「月に2回来ますので、予約はいつにしますか?」とのこと。
おいおい、どんだけ忙しいの?って思いました。
たまたま明日カウンセラーの先生が学校に来るそうなので、お話することができたのですが、カウンセラーって在中しているわけではないんですね。予約も大変です。
次の日、1時間ほど小学校でカウンセラーの先生とお話する機会を得られました。これまでのいきさつを一通り話しました。
感想としては、「話を聞いてくれただけだな」です。
先生いわく、なんとかなだめたり励ましたりしながら遅刻しても学校に行かせるようにするというのは、よい選択肢であり、今後も大変だが続けていくしかない、ということでした。
ああ、続けていくしかないのね。
5.行き渋るこどもの心の中は
小学校の担任の先生には、クラスでのトラブルなどがないか聞いたのですが、特になさそう。友達も家に来るような仲ではないけれど、学校で一人でぽつんとしているわけでもないそうなのです。
じゃ、何で行きたくないっていうの?お腹が痛くなるの?
カウンセラーの先生は子供とも1対1で話をしてくれる時間を取ってくれましたが、子供曰く、「学校のシステムが嫌」だと言っていたそうです。
・学校は軍隊みたい
・授業中にトイレも行かせてくれない先生がいる
・10分で説明できる授業を45分に無理やり引き延ばしてだらだら授業を行っている
・日中の楽しい時間を学校に使うのはもったいない
以上のようなことが、子供の学校行きたくない理由のようでした。
6.児童精神科医との面談
カウンセラーの先生と相談を2回しましたが、特に解決策など出てきません。子供も状況変わらずです。そんな中、区の保健施設で、児童精神科医の先生に相談できる、というちらしを学校からもらいました。
体に障害がないのならば、発達障害なのかもしれないという思いがふつふつと湧いてきていたころでした。
予約を取って行ったところ(また予約は数週間かかりましたが)、保健所の奥の部屋に通されました。でオンラインで岐阜にいる児童精神科医の先生と話をすることになりました。オンラインなら自宅からやらせてくれよ、と思いましたが。。わざわざなぜ保健所のPCを使う必要が??
精神科医の女性の先生は、「無理して学校行く必要はない」という意見でした。そして、以下の本を読むように言われたのです。
子どもの発達障害 子育てで大切なこと、やってはいけないこと (SB新書)
☑変にこだわる
☑友達づくりが苦手
☑変相が激しくて、給食の野菜や魚をすべて残す
☑小学生になっても一人でトイレに行けない
☑ミニカーをひたすら並べている
他にもたくさん症例が出ているのですが、あてはまることがたくさんあるのです。ああ、発達障害なのかもなぁと漠然と理解しました。
- 親は無料、子供を変えることなんてできない
- 高望みを捨てれば、叱らなくてもよくなる
- 親は無意識に「最低ライン」を引いている
など、発達障害の子の褒め方、叱り方などは特に参考になりました。
本田秀夫さんはYoutubeもやっていて、営業トークなど一切ない真摯な言葉だけの内容で信頼できる内容でした。
「発達障害の育て方」
1.多数派に合わせない
2.平均値に合わせない
3.友達に合わせない
さて、一般の家庭でこれを実践できる親がいくらいるでしょうか。
そのとき私ができたことは、子供に
「学校に行かなくともよい」と示すことでした。
7.学校を休みがちになるゾーン
「学校を休んでもいいよ」と言ってみました。子供は喜びます。私ももう、学校に行かなかったからといって、人生が終わるわけでもない、どちらでもよいと思うようになっていました。このころは本田さんの「発達障害の子育て」を実践しようとしていたわけです。
週にぽつぽつ休み始めました。学校に行かないときは、ゲームもテレビもPCも当然禁止です。一応ここの線引きはしておきました。
一日中明るい日差しの中、ソファやふとんでごろごろ漫画や本を読んでいる我が子。学校の時間が終わると、ゲームやテレビを楽しんでいました。
そんな子供を横でずっと見ていた私ですが、徐々に、
小学校以外に居場所を作ってあげたいと思うようになってきました。
8.江東区のブリッジスクールに行ってみた
小学校に行かなくてもいいから、他の場所に行ってほしい。不登校の親はこう考える方が多いと思います。家で一人でいるのではなく、勉強以外でも居場所を見つけてほしいと。
「東京、フリースクール」と検索してみましたが、大体のこうした施設は、ひと月7万円ほどかかりそうです。そんなお金はありません。
すると、江東区には「ブリッジスクール」なるものがあると発見しました。
週に数回参加でき、出席にもカウントしてもらえそうです。ということで、子供に相談したところ、小学校に行かなくてよいのであれば、その施設を見学してもよい、ということになりました。
子どもと一緒に見学に行ってみると、教室くらいの部屋に個別の勉強スペースがあり、十数人の子供が勉強しています。大学生っぽい先生たちと楽しく話す男の子、勉強してる中学生女子など、思ったよりもたくさん子供がいました。
これは結構よさそうです。1日に3時間程度ここに来て勉強ができる。1時間は個別で分からないところなど指導もしてもらえるとのことでした。
つづきは次回